収納の巣

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片付けはコミュニケーション。家族の価値観を尊重しながらくつろげるわが家に。

築70年の古い長屋を2012年夏にリノベーション。かつてインテリアコーディネーターだった髙原さんのセンスが光るオープンな空間です。

「あんまりカッコつけてもしかたないから、もう普段どおりありのままにね」。
そう飾り気なく笑って、私たちを迎え入れてくれた髙原真由美さん。
思わず深呼吸したくなるような、風通しのよい空気感に満ちたお宅の秘密を探ってみれば…?

毎日をもっと楽に、くらしやすく。それがライフオーガナイズと向き合う原点。

自分らしく心地いい暮らしを叶えるための思考と空間の整理術「ライフオーガナイズ」。米国生まれのこの考えを、広く社会に伝えるために、髙原さんが「日本ライフオーガナイザー協会」を設立したのは2008年末のこと。それまで勤めていた百貨店では、外商部のセレブ顧客を相手にインテリアコンサルティング全般に関わり、トップセールスを記録する活躍ぶりでした。ただ超多忙な会社人間ゆえに、顧客の住まいは快適に整えても、自宅の片付けは後回しで散らかる一方、というのが当時の現実。そんな折、ご主人の大怪我とその後の自宅療養という一大事に直面し、「このままの生活でいいのだろうか」という思いが芽生えたといいます。やがて、週末起業として2007年に立ち上げた「楽カジ.com」で、整理・収納やインテリアに関するセミナーを主催するうち、この問題に悩む人の多さに改めて気づいた髙原さん。自分の手の届く範囲で問題解決に取り組むだけでなく、日本中のより多くの人が快適に、楽に暮らせる手助けをしたいと考えるように。「だったら空間や思考の整理をサポートできる人材を各地で育成すればいいんだ」。その思いが協会設立の原動力でした。

「この木製人形、夫と娘がしょっちゅうポーズを変えてるの(笑)」。階段下のワークスペースには、娘さんの工作など、心を和ませてくれるアイテムが。

コーナーソファは、家族みんなのくつろぎスペース。
色味を絞ったシックなコーディネートが印象的。

片付けストレスを減らすわがや流の仕組み、リノベーションでさらにスムーズに。

自宅の整理・収納に関するこだわりを聞くと、「なるべく完璧にしようとしない、というのが私のルールかな」と意外な答え。
「完璧にしようとすると、できない自分や相手を否定してしまってそれがストレスになるから、自分も周囲も甘やかして、適度にゆるく(笑)。それは結局“うちの家は家族のための場所”と明確に割り切っているからでしょうね。人の目にどう映るかより、自分たちが居心地よくいられることが一番なんです」。
とはいえ、そこに至るまでにはかなり時間を要したとか。ごちゃっとしたモノが目に入るのはいやだという髙原さんに対し、ご主人と娘さんは雑然としていても気にならない派。さらにご主人は、バイク、ギター、フィギュアなど多趣味で、モノを捨てることに抵抗があるタイプ。必然的に多くのモノが存在している髙原家ですが、家族の行動のクセに合わせて、散らかっても短時間で元通りに片付く「仕組み 」を確立。それがリノベーションでさらに進化しました。「とくに実家が隣にあり、引っ越しらしい引っ越しの経験がなかった夫にとっては、リノベーションはすべての所有物と真剣に向き合う初めての機会。おかげでかなり意識も変わりましたね」。

ご主人のバイク用品や部屋着など、出がけや帰宅後に使うものは玄関脇に集約。宅配されるビールもここから冷蔵庫へ直行。診察券やハンカチなど忘れがちな小物は、靴を履いたままでも手が届くチェストに。

散らかりがちなリモコンはイケアで買ったリモコンポケットに。ソファマットレスに挟んで使えるので目立たず便利です。

片付けは快適な暮らしをともに築くためのコミュニケーション。

「思考タイプも、モノとの付き合い方も、十人十色。たとえ家族でも価値観が違って当然」。そう髙原さんが自然に思えるようになったのは、百貨店時代から多くの人に出会い、それぞれのモノやコトにまつわる思いに耳を傾けてきた経験の影響が大きいとか。
「片付けは、お互いを知り、受け入れあうコミュニケーションだし、あくまで快適に暮らすための手段。片付けない相手にイライラしていがみ合うぐらいなら、相手がモノを置きっぱなしにする場所を定位置に変えるとか、気づいたことを行動に移して、仕組み化していけばいいんです。以前は私がいないと乱れてしまうことが多かったんですが、最近は私がいなくてもそれなりに整うようになってきましたね。うちでは引き出しでも棚でも、家族各人ごとにコーナーを分けていて、あふれ出ない限りそれぞれの持ち場の使い方には口出ししないんです」。
海外出張が年に2~3回。国内出張は月に3~4回と、家を空けることも多い多忙な髙原さんにとって、家が「帰ってきた時にほっとくつろげる場所」であるのは何より大切なこと。
「私、みんなに意外だって言われるけど、実はインドア派で、休みの日はもう家から一歩も出たくない。ビール片手に好きなコミックを読みふけるのが至福の時なんです(笑)」。そういって笑う髙原さんの飾らない大らかさに、このうちの心地よさの秘密を見つけた気がしました。

食卓脇の引き戸収納は、雑然とたまりがちな郵便物や日用雑貨、家族の私物の定位置。各自に割り当てられた区画の使い方には口出ししません。上部の棚板は外してマグネットシートを貼りピンナップボードに。扉を閉めれば目隠しOK。

ノート型ホワイトボードで家族への書き置きを。娘さんからのかわいい書き込みは写メに撮り、ボードは消します。捨てづらい紙メモがたまる悩みもこれで解消。

ゲーム機器も各種そろった「ゲーム天国」な髙原家。収納の巣の「フロアワゴン」に小型ゲーム機や充電器をまとめてスッキリ。


収納アイデア見せてください

掛ける収納で
衣類を畳む手間いらず
壁面いっぱいのスペースで夫婦の衣類ほとんどを掛ける収納にし、洗濯物を畳む手間や衣替えを省力化。髙原さんコーナーは2段バーですが、ご主人は洋服丈が長いため、写真のように部分的に「クローゼットブランコ」で対応。
必要なものがいつでも
サッと出せる押入れ
押入れは、収納の巣の布団ケースを利用してゲスト用やシーズンオフの寝具を小分けにして収納。枕棚にはご主人のギターが数本。冬布団が出払った下段の空きスペースには、娘さんが集めているクマたちが。
家中の収納用品を
共通にしてシンプル化
洗面所の壁面には、各人のパジャマやトラベル用品を分類。収納用品を複雑にしたくないから、イケアの白ボックスや無印良品のファイルボックスが場所を問わず活躍。

高原さんの
収納マイルール

ふだんのお片付けはいつ、
どのぐらい?
毎朝出かける前にソファを整え、テーブルや床に何もない状態にリセット。掃除は目についた時にちょこちょこ、が基本。
モノの適正量、
どうやって決めている?
決めていません。新しいモノが増え、モノが空間からはみ出すようなら処分を考えます。
「これは捨てなくてもOK」と
決めているものはなに?
私は漫画本。何百冊あるか分かりません。家族の趣味のものにも口出ししません。

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